最近読んだマンガ

2002/07/10伊藤潤二『うずまき』他

 最近発見したのは伊藤潤二です。このページで、彼原作の映画『うずまき』が酷評されていたのですが、逆に原作のマンガの方が「初めて読んだのだが驚いた。こりゃ終末SF伝奇ホラーの大傑作である。まさに楳図かずお「漂流教室」の嫡子じゃないか!(諸星大二郎も入ってるか)」と絶賛されていたので興味を持ち、『うずまき』『トンネル奇譚』『ギョ』を(買ったりマンガ喫茶などで)読みました。うん、たしかに、楳図と諸星が明らかに入っています。『うずまき』もいいけど、『ギョ』もかなり面白かった。短編集の『トンネル奇譚』は、ポー風あり、諸星風あり、となかなかよかった。夢の中の時間が次第に長くなっていって実人生を超えて行き、ついに……とか、ちょうど自分の体の形にぴったりの穴があって、吸い寄せられるように入ってしまう、とか、アイデアがなかなかいい。それと、この人の描くちょっと古風なおでこの広い女子の顔、なかなかいいと思います。丸尾末広も入ってるのかな。

2002/8/18伊藤潤二『富江』他

 伊藤潤二ブームも続いておりまして、大分読みました。『富江』シリーズも文庫本で読了しました。息の長い作品なので、時期によって全然雰囲気が違うのですが、なかなか面白いですね。伊藤さんは、90年代に入って、自分のスタイルを確立したようです。
 で、伊藤作品の映画化もいくつか見ました。まず、酷評されていた『うずまき』。なるほど。たしかにこりゃ映画になってません……。しかし、最初からこれ映画として作ってないんじゃないだろうか、という気もします。これは、ただ単に伊藤のマンガの名シーンを実写で撮りたかっただけですね。というわけで、マンガを先に読んだ私としては、ああ、あのシーンをこういう風に再現したのか。なかなか良くできてるじゃん……てな感じで結構楽しめました。しかし、最初に映画を見た人はやっぱり怒るだろうなあ、あれは。特にラストはひどい。「お前も、渦をまけ〜」というセリフは、しばらく私の中で流行ってましたが。主演の初音映里子は、お茶漬けのCM、予備校のCM以来、ちょっと注目していて、ここも愛読しているのですが、たしかにこの映画ではあまりよくないように思いました。
 次に、これまた酷評の『富江』ですが、うーん、たしかに、思わせぶりなだけでちいとも面白くなかった。だいたいなんだ、あのオチは。そして確かに、カンノ美穂(だけ)はすばらしい。カンノ美穂はもともと私大好きなのですが。