00/01/13

 詳しい話はいずれまた書こうと思っているんですが(後記:結局書かなかった……)、とりあえずニューヨークから帰ってきました。1月5日に出発して10日に帰ってきたのですが、ニューヨークを出発したのは9日の朝なので、実質的には4日間の旅でした。その短い期間に、10個近いライブをみました。それはもう狂ったようにライブハウスにいきました。ひどいときは一日3本もみました。にもかかわらず、昼は昼で美術館めぐりをしたりして、ほんとにへとへとに疲れました。それにしても、出発の当日まで風邪で絶不調で、どうなることかと思いましたが、飛行機の中で治った、という感じで、あぶないところでした。
 特に危険な目にはあいませんでした。4人で行ったのですが、ほかの人たちは、ニューヨークでももっとも危険といわれる例のハーレムにも行ったりしたのですが、私は行きませんでした(行った人にしても別になにもなかったようです)。しかし、それは運が良かっただけなのかもしれません。というのも、考えようによってはけっこう危険な行動をとっていたからです。ジャズのライブはなにしろ夜なもので、ガイドブックなどには、夜は危険なのでタクシーでホテルに直行するのがよい、と書いてあったにもかかわらず、いろいろな事情で深夜2時とか3時ごろ、紐育の町をうろうろする、という無謀な行動をとったりしました。さすがにこれは怖かった。ライブハウスがいっぱいあるグリニッジヴィレッジというあたりは、中心部と違って高い建物がほとんどないところで、街灯もすくなく、人通りもすくなく、すれ違うアメリカ人はみんな悪者に見えるし、めちゃこわかったです。
 地下鉄も、最近は安全になったとはいわれていますが、汚くて薄暗くて、結構怖かったなあ・・・
 ライブは、有名なところでは、ビレッジバンガードにウイントン・マルサリスを見に行きました。渋いところではジョー・チェンバースとか。でも一番よかったのは最終日にみたコーネル・デュプリーでした。間近でみたのですが 最高でした。あと、ジョーチェンバースのライブをバードランドでみているとき、前日のライブで出演者としてみたランディー・ブレッカーが、隣のテーブルに客としていたりして、おもしろかったです。娘連れでした(イリアーヌの娘だから、「分かれた娘と会う日」だったのかもしれません)。
 ところで、旅行中、ニューヨーク在住の木村さんに町を案内していただいたりして、大変お世話になりました。お礼を申し上げます。

2000/03/23

 先日、実家(和歌山)に帰ったのですが、その帰りの新幹線で、このような場面に遭遇しました。自由席はちょっと混んでいて、私も名古屋あたりまで座れなかったのですが、その後、事件はたしか静岡駅にとまった後おこりました。通路を挟んだ隣の席に、50歳ぐらいで小太りの、まったくふつうのサラリーマンが座っていたのですが、彼は、座席の上に文庫本を置いて、トイレに行きました。その間、電車は静岡にとまり、結構多くの人が乗ってきました。その中に白髪の老夫婦がいて、彼らは、サラリーマンが置いている文庫本に気づかず、後から思えばキープのつもりだったようですが、荷物の紙袋をサラリーマンがいた座席の横に置き、どこかへよちよちと歩いて行きました。その直後、トイレから帰ったサラリーマンは、文庫本をどけて再び座席に座りました。しばらくして、あの老夫婦がまた戻ってきました。さっきは居なかった男が席に座っているのを見て、おばあさんの方が、やや恨みがましい口調で、「あら……ここに(荷物を)置いといたのに……」とつぶやいたのです。それを聞いたサラリーマンは、文庫から眼をあげ、いまいましそうにこう言ったのです。「違う!ここは私の席だったんだ」。そのまま彼は再び文庫本を読み始めました。ちょっと驚きました。まあ、サラリーマンにしても、誤解されたのがいやでついそんな言い方をしてしまい、引っ込みがつかなくなって、内心後悔していたのかもしれません。それにしても、かなりお年をめした老夫婦、終点の東京まであと30分ぐらいなのだし、席をゆずってもいいのではないか、とも思いました。もちろん、私も彼を非難する資格はありません。そう思うんだったら私が席をゆずればよかったわけです。しかし、とっさに、ここで私が席を譲ったらこのサラリーマンに対して角が立つかな、などと考えているうちに、老夫婦は、人の流れに押されるようにして、別の車両に移っていったのでした。こういうのって、なんかいやですね……。
 そんなことがあって、今日、今度はこんな事件が……。東京の京王線に乗っていたところ、ある駅で、ヨッパライのオヤジ……風のお方が乗ってきて、座っていた私の正面にお立ちになりました。ところが、吊革を掴んだものの、そのお方、ぐわんぐわんと不穏なグラインド運動をはじめたのです。あ、まずいなあ、と思ったときはもうおそく、あれ?なんか落ちてきた、と思ったら、それは、そのお方の口腔から噴射されたと思われる唾液でした。私の左手と、開いていた「週間アスキー」(の「カオスだもんね!」)の上に、ばっちりヒットしました。ここここれは、席をゆずらなきゃ……お疲れの様子だし……というわけで、私は席を立って、そのお方に、「座りますか?」と言ったのですが、全然聞いちゃいない。そしたらその直後、駅にとまったら、そのオヤジの方ははっと眼を開き、ふらふらと電車を降りてしまったのでした。うーん……何だったんだろう……。でも、唾でよかった……。

2000/04/10

 私は、コーヒーが好きです。というか、はっきり言って中毒です。一日4・5杯は飲みます。で、うちでも飲むのですが、喫茶店にもよく行きます。とくに、近所のドトールにはよく行きます。
 しかし、喫茶店に行くのは私の場合コーヒーを飲みに行くわけではないのです。もちろん、コーヒーは飲むのですが、それはついででして、だいたい勉強しに行きます。実は私、うちでは勉強できない体でして、うちにいるととにかく勉強しない(というかできない)。その理由はいろいろあるのですが、それはともかくとして、だいたい喫茶店で勉強してます。本を読むのももちろん、モバイルギアをもっていってがしがし文章を書いたりもしてます。
 ところが、喫茶点に純粋にコーヒーを飲みに来ている人もいるんですね!(て当たり前なんですが……)
 友達や恋人と話をしにきてついでにお茶ものむ、とか、仕事の打ち合わせをしてる、とか、私のように一人で来て勉強してる、とか、いう人ももちろんいます。また、時間つぶしなのか、一人できて、本や漫画、雑誌を読んでいる、という人もいます。これらは、すべて、場合によって私もするかもしれない行動です。しかし、よく観察していると、このどれにもあてはまらない行動をしている人が結構いるんですね。彼らは、一人で来ます。そして、コーヒーを飲みます。しばしば、たばこを吸います。そして……そして……他には何にもしないんです!
 彼らは、だいたい虚ろな眼をして、20秒に一回ぐらいコーヒーを「ズズッ」とすすります(だいたい音をたてる)「ズズッ……ッアーッ」のパターンもおおいです。で、正確にそれを繰り返して、コーヒーを飲んでしまうと(またたばこを吸ってしまうと)すぐに立って店を出ていきます。そういう人に限って、店に入ってからでていくまでの間隔はすごく短くて、せいぜい5分ぐらいです。私のように粘る客とちがって、店としてはいい客だろうなあ……。
 でも、そういう行動は、私にとってはすごく不思議です。私は、絶対しないような気がする。勉強しようとして疲れてなにもできない、ということはあるかもしれないけど、最初から、「何もしないために」、あるいは「ぼーっとするために」喫茶店に行く、というのは、ないような気がするなあ。
 「よし、これからぼーっとするぞ」と喫茶店に行って、たった5分間ぼーっとして、気分転換して、またきびきび働く、というのは私の行動パターンの対極にあります。自慢じゃないけど、私はやらなくちゃならないことを先送りにしたり、だらだらと仕事をすることにかけては自信があります。しかし、何もしていない、ということはほとんどないかも。たいてい、そんなことをやっていちゃいけないことをやっているか(たとえば今これを書いてるとか)やらなくちゃいけないことをだらだらやっているか、どちらかですね……もちろん、全然自慢できることではないんですが……

2000/06/23

 今日は、ある方から寄せられたこのような疑問にお答えしたいと思います。

>ところで "himanism" は、"himan" + "ism" で「肥満主義」とはならないのでしょうか?

 その通りでございます。あれは、暇主義であり、肥満主義なのでございます。暇だと間食をしてしまう―>間食をすると太る、というわけで、これでいいのでございます。
 また、"humanism"も、みなさんあれは "human"+"ism" だと思っていらっしゃるでしょうが、あれは、「飛雄馬主義」でもあるのでございます。みなさんご存じのスポ根イデオロギーでございます。ヨーロッパ近代は梶原一騎の呪縛から逃れられないのでございます。「n」は、語調を整えるために挟まっているのでございます。

2000/7/14

ある年の阪神日記(一年分一挙大公開!)
5月×日 いつものように「今年はいつもの阪神と違います」と言われた。
6月×日 いつものように「このままではいつものようにずるずると行ってしまいますね」と言われた。
7月×日 いつものように「いつものようにずるずると行」った。
終。
(来年につづく)

2000/9/1

 阪神様はもうだめです。というか最初から死んでました……神は死んだ……しかし、ということは例のチーム、あれは「巨人」ならぬ「超人」だった、ということでしょうか。読売スーパーメン?超人軍?なんか昔のアニメのタイトルみたい。そういえば今年はニーチェの没後100年じゃないですか。
 嗚呼、阪神も仏もいないのか……神なき世にはびこる巨人、いや超人、いうまでもなくこれはもうとうてい「人」ではありません。そう、悪魔……というわけで、もっといい名前を思いつきました。「巨悪」というのはどうでしょう。黄泉売巨悪軍、ということで。ああ、でもなんかこれでは力を認めてるみたいでしゃくだなあ……そうだ逆にしよう。「悪人」……これで、彼らのセコさが表現できます。読売悪人軍……セコいなあ。でも、そこに負けたのね、神様は(T-T)。
 「悪人なほもつて優勝を遂ぐ。いはんや阪神をや……」

2000/9/12

 プロ野球、つまんなくなりました……セ・リーグもパ・リーグも、もう試合結果を知りたいという気すら起こらなくなっています。
 先日長野県知事選挙に立候補した田中康夫ですが、彼が『噂の真相』誌上で連載中の日記「東京ペログリ日記」には、「ぺろぐり」をした日には「PG」という記号が書かれていて、オナニーをした日には「ON」と書かれています。つまり、「ON対決」とは、オナニー対決なわけですね。まさしくそうだなあ……。日本シリーズのことは、「ナベツネ読売オナニーシリーズ」と呼ぶことにしましょう。
 ところで、プロ野球選手の参加で問題になったオリンピックがもうすぐはじまります。こっちもあまり興味がないんですが、まあプロ野球よりはましかなあ……しかし、今思えば、ヤクルトは古田を出しておけばよかった……と思っているのではないでしょうか。パ・リーグの場合、西武なんかは松阪を出さなくちゃならないのは痛いでしょうが、下位チームの近鉄・中村やロッテ・黒木なんかは大手を振って参加できるわけで、ニュースで見たら、ここぞとばかりにはりきっているように見えました。
 というわけで考えたのですが、オリンピックに参加するプロ選手は、代表団が出発する時点で最下位であるチームから選ぶ、という風に決めておいたらどうでしょう。そうすれば、古田問題のようなものが起こりえなくなるわけですから、いいと思うんですがね。で、もしそうなれば、セ・リーグからは当然阪神の選手が大量に参加する、ということになるわけです。
 しかし、だったらいっそのこと、阪神タイガースをまるごと日本代表チームとして派遣するというのはどうでしょうか?その代わりペナントレースには参加できませんが、どうせ参加してても負けるんだから、不戦敗でいいですよ、全然。
 オリンピックといえば、オリュンポス……ギリシア神話の神々が集う……そう、神論の本場ではないですか!そうです。汎神タイガースにとってふさわしい戦いの場はオリンピックなのです。島国の中のちっぽけなペナントレースやらオナニーシリーズなんか、最初からどうでもいいんです。六甲山からオリュンポス山に、八百万の神を代表してなぐり込みです。サムライ・スピリットで突撃です。スタジアムにカミカゼ、いや阪神風を吹かせましょう。この風を別名六甲颪といいます。というわけで、見事金メダルを獲得した暁に流される「国歌」も、当然六甲颪で決まりです。どうでしょう、この際「国歌」を六甲颪に決めてしまっては?「君が代」よりも、勇ましくてよっぽど「国歌」としてふさわしいと思うんですけど。どうでしょう、「阪神の国」発言の森さん……

2000/10/24

 先日山梨県甲府市のライブハウスALONEでライブをしました。例のごとく、ベーシスト三枝数也氏にはお世話になりました(彼は私の日記に登場したがっているという奇特な方なので、強調しておきました)。で、ライブをやる前に、I町というところにあるテナーサックス奏者Yさんのお宅におじゃまして、練習をしたのですが、Yさんの家の近所の商店に出ていた看板を見てびっくりしました。「イルカ入荷しました」……。何で山梨で、イルカ?しかも当たり前のことのように「入荷しました」……
 で、Yさんの家で、彼のお義父さん(奥さんの実家が近いので、いつも遊びにいらしているのです)にそのことをきいてみたところ、こんな反応が返ってきました。

「おう?イルカ食いたいだか?何だ、昨日来りゃああっただに。うまかったぞ。※注1

 え?そんなにしょっちゅう食べるんですか?! どんな味ですか?

「(驚いた様子で)何だ、おまんとう、イルカ食ったこんないだか?!あんなうまいもんを食ったこんないだか。てっ!※注2

 うーん、恐るべし……山梨、いやI町(甲府ではそんな習慣はなかったと思う)。それにしても、グリーンピースに知られたら大変なことに……
 あ、そうそう味については、いろいろきいてみたところ、かなりにおいがきついそうです。それがたまらん、とのこと……。

※注1 訳:おや、イルカを食べたかったのかね?何だい、昨日来ればあったのに。美味しかったよ。
※注2 訳:何だい、君たちは、イルカを食べたことがないのかね?あんなに美味しいものを食べたことがないとはねえ。おやおや。

2000/11/10

アルジャーノンに IT を
 11月10日付の夕刊誌「日刊ゲンダイ」に、すごい記事をみつけました。「『ITボケ』サラリーマンが急増中」ということで、パソコンやワープロ、携帯電話などのIT機器を使っていると、情報が簡単に手に入るので脳の働きが低下し、ボケ症状が進み、ついには廃人同様になってしまう、ということです。なんとも恐ろしい話です。パソコンやワープロを使っていて漢字を忘れてしまう、というのが、「ITボケ」の初期症状らしいです。怖いですね。まさか、と思うでしょうが、ちゃんとした偉いお医者さんがおっしゃっているんだから、本当のことでしょう。そのお医者さんとは、○○臨床医学研究所付属△△病院院長のT先生です(記事では実名になっていますが、ちょっと恥ずかしいので仮名にさせていただきました)。T先生はこうおっしゃっています。
ITに頼る生活を続けていると知らないうちに0か1のデジタル思考になってしまい、さまざまな要素が複雑にからんでいる現実に対する受容力や忍耐力がなくなる。それですぐにキレたり、ルールを無視して手っ取り早く片づけようとするのです。そして次には喜怒哀楽の感情が失われていき、最後には生きる意欲すらなくなりかねません。この状態で3年以上ほうっておくと、歩く、話すといった人間の基本的行為に支障を来すことにもなりかねません。
 いやー、怖いですねー!とくに、「知らないうちに0か1のデジタル思考になってしまう」というところが怖い。なんかよくわかりませんが、どうも複雑なものが扱えなくなる、ということらしいので、頭が単純になるということでしょうか。「コーヒーにする?紅茶にする?それともファミリーナにする?」とか言うコマーシャルが昔ありましたが、デジタル思考になってしまった人は、こんなことを言われたら大変なことになってしまうのかもしれません。「ジー、ガチャ、ガチャ……コーヒー = 0 ……コウチャ = 1 ……ファミリーナ =? …?…ファミリーナ =?…ガチャ、ガチャ……キッシャー!!!○+△@¥*(「ゲイツちゃん」風に)」おお、怖い、怖い……。それから、「3年以上ほうっておくと」というのがまたすごい。その、「3年」という数字はいったいどこから来たのだろうか、なんて思うのはあさはかな素人考えなんでしょうね。おそらく、院長先生の膨大な医学的知識と、長い経験からはじき出された、数字なのでしょう。いや、これだけ断言なさっているのだがら、実験結果を踏まえた数字なのかもしれません。しかし、こんな恐ろしい結果になるかどうかを人間で実験するというのは、人道上問題がありますから、やはり動物実験でしょうね。ネズミにパソコン、ワープロ、携帯電話を使わせ続けて、3年以上観察したとか。しかし、パソコンが使えるネズミ、ていうのはそれだけですごい。まずそのネズミの存在を学会で発表なさってはいかがでしょうか。

2000/12/12

 今日は、今世紀最後の満月だそうです。しかし、こうなってくると、これからしばらくは「今世紀最後」の目白押し、ってことになります。今世紀最後のゲップ、はまだあるかな。今世紀最後に足がつった、はもうすんだのかな。しかし、こういうのは、「今世紀最後」とはいっても単に個人的にそうだ、というだけの話です。20世紀、世界で最後にゲップをした女/男、になるというのはなかなか至難の業だと言えます。確認もできないし。というわけで、「今世紀最後に脇毛を3本ぬいてライターで燃やした女/男」なんかだと、正真正銘の「今世紀最後」になれる可能性が比較的高いと思われます。お試しください。今世紀最初、かもしれないけど。
 ところで、川崎が残ってるので、今世紀最後のFA移籍、とはなりませんでしたが、新庄、メッツですか……うーむ、そう来ましたか。まあ、セの他チームに行くよりはファンは納得するかな。応援したいものです。しかし、大丈夫かな……。

2000/12/17