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社会ニューヌ - 2月25日(氷)23時61分

論説 ニシ・タマオ氏への手紙に対する西区と郵政省の対応について

 “西区民”タマちゃんに手紙続々とのことだが、それに対する横浜市西区と郵政省の対応にはさまざまな問題点があると思われる。
 まず第一に、「横浜市西区西平沼町、帷子川護岸 ニシ・タマオ様」という宛名の手紙を、西区役所にとどける、という郵便局の対応には大きな問題がある。横浜市西区区役所の住所は、横浜市西区中央1-5-10 。どうして、そんな関係のないところに西平沼町の住民の手紙を持っていくのだろか? 郵便法第77条にはこうある。

郵便法第77条 郵政事業庁の取扱中に係る郵便物を正当の事由なく開き、き損し、隠匿し、放棄し、又は受取人でない者に交付した者は、これを3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。ただし、刑法第258条又は第259条に該当する場合には、同条の刑に処する。

 今回の郵便局の対応はこちらに抵触する可能性もある。

郵便法第79条 郵便の業務に従事する者がことさらに郵便の取扱いをせず、又はこれを遅延させたときは、これを1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

 さて、ニシ・タマオ氏宛の郵便物が続々と届いた西区区役所の対応は、さらに問題である。まず、区役所の対応は、郵便法第55条に違反していると思われる。

郵便法第55条(誤配達郵便物の処理) 郵便物の誤配達を受けた者は、その郵便物にその旨を表示して郵便差出箱に差し入れ、又はその旨を最寄りの郵便局に通知しなければならない。

 そして、手紙の内容は「体に気を付けてください」「風邪ひかないでね」「住民登録できて良かったね」などと、タマちゃんを励ます内容だった、と報道されている。これは、ニシ・タマオ氏あての手紙を西区職員が勝手に開封したということだとしか考えられない。これは大きな問題である。言うまでもなく、他人宛の手紙を開封して読むことは、れっきとした犯罪である。

刑法133条(信書開封) 正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けた者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

 いずれにせよ、ニシ・タマオ氏宛の手紙はニシ・タマオ氏本人に届ける、というのがどう考えてもスジである。その場合、たぶん子供が一生懸命描いた絵や、川柳を書いた色紙などは、水浸しのゴミとなって帷子川をどんぶらこと流れていくことになるであろうが……まことにいいきみかわいそうなことだが、やむをえないだろう。
 ところで、西区区役所の住所を調べるために西区区役所のホームページに行ってみたところ、さらなる問題を発見した。なんと、ニシ・タマオ氏の住民票が、PDFファイルで公開されているのである。住民票をインターネットで公開とは、住基ネットがこれだけ問題になっているときに、西区区役所のプライバシー感覚はいったいどうなっているのか、大いに疑問である。
(論説委員 西田真央)
[2月25日23時61分更新]


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