2003/02/07 前回

 また風邪をひいてしまいました。しかもまたかなり激しいものでした。まる二日、39度以上の熱が出続け、死ぬかと思いました。日記によると、私は去年の5月末、つまり8ヶ月ほど前にもひどい風邪をひいていたようです(11月にも風邪をひいていますが)。5月の風邪については、私はこのように書いています。

木曜日から8度を下がらない状態がまる二日ぐらい続き、うんうんうなっていました。

 ……今回1度上がってます。てことは、8ヶ月後、つまり今年の10月ぐらいに、私は40度以上の熱がまる二日続く風邪にかかるのでしょうか……。ほんとに死んでしまいそうです。こまったものです。
 突如高熱が出たので、当然ながら大流行のインフルエンザを疑い、病院に行きました。症状を話すと、インフルエンザの可能性が高いと言われ、とりあえず検査をしましょう(正確には「検査してもよろしいですか?」と言われました)ということになり、こちらへどうぞ、と処置室に通されました。すると、看護婦さん(正確には女性看護師の方)が、そこらへんにあったティッシュの箱からティッシュを二枚ほど無造作にとって私に渡し、こう言うのです。「ハナ、出ますか? ハナをかんで、えーと……ハナミズを、私に下さい!」まあ、有名な手術前のテイモウに比べれば(私は未経験です)どうてことはないですが、やっぱちょっとはずかしいです。が、幸か不幸か、さっきまでだらだら出ていたハナミズがいくらかんでも出ませんでした。「出ませんねえ……じゃあ、先生にグリグリってやってもらうことになっちゃんですけど……」と、いうわけで、先生にグリグリっとやってもらうことになりました(まあ要は綿棒をハナの奥につっこまれるだけで大したことはなかったですが)。で、採取されたハナミズで検査を行うのですが、結果が出るまで15分ぐらいかかるとのこと。そして、15分後、診察室に呼ばれて結果を聞かされました。「検査の結果、陰性でした。このAというところに線が入ればA型、Bに線が入ればB型なのですが、あなたの場合このrというところに入っていますね。どちらでもないということです。まあこのキット自体100パーセントではないのですが、それにしても、あなたがインフルエンザである可能性は限りなく低いです。」ちょっと拍子抜けでしたが、まあ良かったのでしょうか。というわけで普通の風邪薬と解熱剤をもらって帰りました。

2003/02/08 前回

 ……トモエがいなくなりました……。ていうか、トモエどころか、カモ全体の数が、極端に減りました(TT)。私が風邪で寝込んでいたここ数日のことです。乞田川カモ類監視委員会(私設)主任監視員のわたくしとしましては、こりゃまったく由々しき自体であります。マガモと、オナガガモは少し残っているのですが、一番多かったカルガモと、トモエがまるっといなくなりました。どこかへ移動したのでしょうか。もうちょっと元気になったら、自転車で下流と上流の調査に行かねばなりません。原因はわかりませんが、気になるのはやはり例の工事との関連です。工事開始当初はほとんど影響が見られなかったので油断していましたが、だんだん工事が進むにつれ最近大型の重機やトラックが川に出入りするようになりました。その音などをいやがったのかもしれません。あるいは水が多少濁りはじめたので、それの影響もあるかも。とはいえ、まあ推測でしかありません。コガモも、工事が始まる大分前、さしたる理由も見あたらないのに移動しましたし、カルガモが移動する時期だったのかもしれません(去年は監視委員会がまだ設立されていなかったのでデータがありません)。
 が、もし工事が原因だとすると、腹がたちますねえ。で、工事ですが、何の工事かって言うと、まったくあきれてしまうんですが、川岸に散策路等を作る+緑化、だそうですよ。「散策路等」って……さんざん護岸工事をかまして自然の川岸を壊しておいて、いまさら何が散策路だ、しかもそれでカモを追い出すなんて(いや、推測ですがね)まったく本末転倒もいいところだ、と思います。なーにが「未来をつくろう、みち・水・緑」だっつの。相変わらずおやくしょの標語っつうのはサムいな……で、そいつに、都民の血税が(いや、銀行からとったやつかもしれませんが)ナント5500万円もかかるそうですよ!どうよこれ。まったく。そんな金があったら、オレにくれ、じゃなくて、なんかもっと他に使い道があるだろうが……ああ?慎太郎よ!!オレはなあ、前からMXテレビでてめえの顔が映るとムカムカしてしょーがねえんだよ……この、ポ○チンショージ破りウヨ都知事があ!!……MXテレビも、シンタローみたいなしょうもないヤツのシケた顔映すヒマがあったら、もっと阪神戦の中継しろっつうんだ!!全試合中継しろ!!……などと思えてなりません(なんか、後半ずれましたが……)。
 と、いうわけで、今回は無駄な公共工事のもたらす害悪についてフツーに怒ってみました。が、まあ、実はこれは私の観察の都合のいい場所からカモがいなくなった、という私憤でして。カモにとっちゃあ好きなとこに行くだけですしね。乞田川自体もともとそんなに環境がいいとも思えなかったので、もっと良いところで幸せに暮らしてください。カモ君たち……(TT) 在りし日の(て死んだわけじゃないけど)トモエの写真はそのうちアップします(てそればっかいってますが)。


    


Tomoe.....forever!!!!




2003/02/09 前回

 アジア大会について、北朝鮮側が、取材が政治的だ、と抗議したそうです。少なくともこの点についてはもっともな抗議だと思います。というか、最近の北朝鮮関連の報道(?)は、いいかげんうんざりしますね。まー、今更言ってもしょうがないですけど。ムネオの時もそうだったけど、安心してたたける相手に対して、もう嬉々として、下品なあざけりや、尊大な説教(のつもり)をなげつけるその精神のみすぼらしさというか、醜さというか、そういうのがむき出しに垂れ流されているテレビを見ると、いやんなっちゃいます。
 昨日も、たまたまニッテレの朝のニュースを見ていたら、北朝鮮側が、日本の「政治的問題に絡めた報道」を理由に「今のままなら閉会式参加について憂慮される」とするコメントを出した、というニュースをやっていました。うんざりしたのはそれを報じた女性アナウンサーのコメントです。「北朝鮮側はそのように言っていますが、しかし、実は今回北朝鮮選手団の役員の中に、「工作員」が含まれているということが明らかになったのです。そこで、公安の捜査員が、会場の周辺で警戒していたのですね。(画面には、顔にモザイクをかけられた、会場周囲をうろちょろする公安のイヌども)」ここでこの女性アナウンサー、横にいた男性アナウンサーを向いて、あいまいに笑いながらこう言ったのです。「本来なら、(北朝鮮選手団は)純粋にスポーツ目的ということで入国を認められたはずですのにねえ……」
 ……なんというか、安全なところから、チクリと刺してやったつもりらしい得意げな顔に無性に腹が立ちます。朝からヤなものを公共の電波で見させられて、ゲンナリしました。まあ、黄泉瓜だのニッテレだのの批判をいまさらしたってしょうがないけど、「工作員」がいることが「明らかになった」て言ったって、どうせ取材もせずに記者クラブで垂れ流された公安の情報をそのまま垂れ流してるアホ記者の記事をこれまた垂れ流してるだけのくせに、何が「ですのにねえ……」だっつの(まあ、そう「言わされてる」だけなんだろうけど、だとしてもなおさら情けない)。
 スポーツに政治を持ち込んでるのはどっちですかね。「本来純粋なスポーツなのに」て言うなら、「純粋なスポーツ」の会場に、公安のイヌども(それこそまさにまぎれもない工作員だ)をうろちょろさせることこそ批判するべきじゃないすかね。

2003/02/10 前回

 寝込んでいたおかげで採点大変なことになってます。まだ終わってません。春の採点です。というか、採点の祭典です。点を付けても、付けても、付けても、付けても、付けても、付けても、付けても、付けても、付けても、付けても、答案の野郎どもは後から後からやってきます。ええい、来るなら来い!祭りだ祭りだーい!……さて、ちょっと一休み。逃避ですな。抜け毛のことを考えないようにする。それは頭皮からの逃避。
 ありがたいことに今のところ頭皮から逃避せずにすんでいますが、もう一つこの年でありがたいことに視力だけは自信がありまして、ずーっと両目1.5で過ごさせていただいています(最近右目だけ1.2とか言われるようになってきた)。というわけで、眼鏡とかコンタクトとかにはコンタクと、じゃなくトンとご縁がないのですが、道を歩いていますと(特に多摩センター駅前)しばしばコンタクトのチラシを渡されるのです。配る方としては、コンタクトなのか裸眼なのか、外見からはわ裸眼、いやわからん、ということで、かつ、コンタクトのチラシはコンタクトをしている人に渡さねばならぬ、ということは眼鏡を掛けていない人に渡さねばならぬ(あ、そうか、眼鏡の人にも「コンタクトにしましょう」という意味で渡すのか)というわけです。
 論理学的に言うと、「目が悪いならば眼鏡をかけている」とは言えないわけでして、ということは、その対偶をとった「眼鏡をかけていないならば目が悪くない」も言えない。ちなみに、では最初の文章の「逆」の「眼鏡をかけているならば目が悪い」が言えるかっつうと、言えそうに思いますが、おっとどっこい、伊達眼鏡、というものがあるので、これまた言えない。まあ結局、眼鏡をかけていようが掛けていまいが、眼が悪いのか悪くないのか全くわからない、ということになるのですが、どうなんでしょう、今や、眼鏡もコンタクトもしていない人、つまりいわゆる裸眼の人、というのは、絶対数としては圧倒的に少ないんじゃないでしょうか。というわけで、コンタクトチラシ配りの方々は、我々のようなマイノリティー(あー、目が悪い人を敵に回しそうだなあ……)のことなんか考えないわけです。化粧品のチラシは男(あ、いわゆる「男制」に見える人ていうことです、念のため)には配らないでしょうが、コンタクトのチラシは裸眼の人に配ってもおかまいなしです。しかし現に私にはコンタクトのチラシは用がない。だからいつも受け取りを拒否してます(て、要は身をかわして通り過ぎるだけですが)。が、なんか、それって嫌なヤツみたいじゃないですか。というわけで、渡されそうになったら「裸眼です……」て言ってみようか、と思ったこともあるのですが、あまりにバカみたいなので未だに言っていません。
 うむ、しかし、私は今日多摩センター駅前で、行く気もないのに「村さ来」のチラシをもらったけど、酒が飲めない人は「村さ来」のチラシいらんわなあ。かつ外見からは酒が飲めないかどうかはわからん。というわけで、そう言う場合、酒が飲めない人は「下戸です……」とつぶやいてみてはどうか。……やっぱバカみたいだ。
 しかし、該当しないチラシをもらうのは、鬱陶しいばかりとはかぎらない、というところが難しいのである。私は大学というところによく行くのだが、実は、自治会のチラシとか、就職セミナーのチラシとか間違って渡されるとちょっとうれしいのである。しかし最近、自治会の人が、「どうぞー、学生大会でえーす」とか言って私にチラシを渡しかけ、私の顔を見て「……あ、すいません」と引っ込めてしまったことがあった。ムッとした。気を利かせたつもりなのかしらんが、逆である。なんと気がきかんやつだ。
 なぜか「だである」になってしまったのである。一休みが長すぎるのである。といってみてももはや後の祭りである。というわけで祭典の再開である。

2003/02/13 前回

 日本というのは、不思議な国です。横浜市西区役所が、アゴヒゲアザラシに住民票を発行したそうです。住所は、西区西平沼町の帷子護岸。住民票コードは「しあわせ1番」と記載されているとか。横浜市は住基ネットに関して選択方式を取っているそうですが、タマちゃん、いやニシ・タマオ氏には参加するかどうかの意志は確認されなかったようで、これは問題ではないでしょうか。また、区は希望者に住民票のコピーをプレゼントする方針だそうですが、住民基本台帳法によると、住民票の一部の写しの閲覧請求には「請求事由その他総務省令で定める事項を明らかにしてしなければならない」となっています。そんなに勝手にコピーをばらまくなんて、大問題です。
 さて、アゴヒゲアザラシに住民票を発行する一方で、日本という国は、ニンゲンに住民票を与えないこともあります。世田谷区をはじめ、多くの自治体でオウム真理教(現アレフ)の信者の住民票を抹消したり転入届を受理しなかったりという事件が起ここりました。これは、日本国憲法で保証されている居住・移転の自由という基本的人権の侵害です。オウム信者はアザラシ以下の扱いを受けているというわけです。アザラシは哺乳類だがオウムは鳥だ、とでも言うのでしょうか(ベタですいません……)。
 ニシ・タマオ氏の住民票には、「ベーリング海方面を経て多摩川、鶴見川から転入」と記載されているそうです。ところで、日本は、難民条約加入後の20年間でたった300人弱しか難民を認定していません。それに対して、たとえばアメリカは2001年1年間だけで3万近く認定、同じくドイツ・イギリス2万、カナダ1万3000、等。日本はというとたった26人!(2002年はさらに少なく14人だったそうです)。また難民申請者に対しても、正規の旅券・在留資格がない、という理由で外国人収容施設に異常に長期に渡って収容する、という人権侵害を行っています(入国警備官等による暴力の存在、医療の提供がきわめて不十分、などの問題も指摘されています)。つまり日本は「きわめて難民に冷たい国」というのは周知のところです。ところが、ニシ氏はパスポートもビザも持っていなかったと思われるのに、ずいぶんとあっさりと入国を認められ、住民票まで発行するとは。まったく日本というのは不思議な国です。
 実際のところ、当のニシ氏にとって、住民票なんていい迷惑以外の何ものでもないのではないでしょうか。彼ら動物は、憲法による保証もくそもなく、行きたいところに行って住みたいところに住むだけです。乞田トモエちゃんに多摩市の住民登録を、なんてくだらないことを言う人が居なくてよかったです(いないっちゅうの)。しかし考えてみれば、カモなんて、多摩市だ横浜市だという以前に、そもそも毎年日本とロシアを行き来しているわけです。言うまでもありませんが、彼らにとってそもそも国籍なんて無縁です。考えても見て下さい。今日本にいるカモは、ロシア人ならぬロシアカモで、日本で越冬しているのか、はたまた、彼らは日本カモで、春になるとロシアに避暑に行くのか、なんてことを考えることがそもそも無意味です。彼らは一年の半分ロシアと日本で過ごす。どちらの国に帰属しているかなんてバカバカしいこととは関係ありません。
 かつてジョン・レノンは Imagine there's no countries(国なんてないと思ってごらん)と歌いましたが、カモにとっては「国なんてない」のが現実です。ニンゲンだけが想像上の国境などというものにしばられて大騒ぎして殺しあいをしたり、なんともアザラシー、いやアホラシーとニシ・タマオ氏も思っているのではないでしょうか(ベタですいません)。

2003/02/14 (前回 02/13)

 テレビのお仕事をしているsakuraさんが、中国四川省・臥龍に取材に行き、真昼でも氷点下五度のなか、毎日麻婆豆腐を食べながら苦労して作られた番組が先日放送されました。それが、ズームイン!SUPER内「ズームアイ!」「パンダの謎に迫る〜中国パンダ研究所〜」です。当時風邪で大変だったのですが、事前に教えてもらっていたので、ビデオ録画して、あとで見ました。ズームイン!SUPERは朝5:30から始まります。最初から見ていたのですが、パン研(私が勝手に略した)いつまでたってもはじまりません……。すると、「パン研は8:00から」という予告が入り、嫌な予感がしたのですが、テープを8:00のあたりまで進めました。よかった、3倍だし、入ってた、と思って、見始めました。カメラに突進してくる子パンのあたりで、なるほど……かわいいかも、と思っていたところ、「(ナレーション)……生い茂っていて、パンダにとっては、絶好の生活環境なんで…ブチ…シャーーーーー<巻き戻る音」 Σ(゜□゜; 表示されていた時刻は 8:02 でした……。
 番組はめでたくパンダが映っているところだけ視聴率が高かったそうです。私はそこだけ見なかった……というわけでパン研、見そびれただけに余計見たさがつのります。見たい!、見たい!……いや見たかった……。そして昨日は、いつもは嫌いなので見ないプロジェクトX「パンダの巻」を思わず見てしまいました(再放送ですが)。「1972年9月、日中国交正常化を記念して、中国政府から2頭のパンダが日本に贈られた。飼育係たちの、未知の珍獣との悪戦苦闘が……始まった」というわけです。とうぜん、ゲストは黒○○子。上野動物園でパンダを見ようと並んでいるバカ親子の映像が映っています。が、実は私も、親に連れられて上野に見にいったんだよなあ……。すごく並んで、一瞬しか見られないという……あれ?なんかこの映像、妙にくすんでるぞ……おばさん達の髪型とかファッションとか妙だし、おじさんの眼鏡はみんなクロブチだし……なんか歴史的映像みたいじゃん……この中にいたのって、やだなあ……歴史の証人みたいじゃん……。くそー、たまちゃんを見に行ったガキどもの映像だって30年後見たら恥ずかしいぞ(今でも恥ずかしいけど)。みんないずれ歴史になっていくんだ。ざまあみろ。あ、でもたまちゃんは3年ぐらいで忘れ去られるような気がする……なんか損した気分だなあ。
 ま、それはいいのですが、プロジェクトXを見た感想なのですが、おいおい!そんないい加減でいいんかい!というものでした。パンダが来日早々風邪を引いて、どうしていいかわからずおろおろする、というのがクライマックスです。悩んだ末に出た結論が、「中国だから漢方薬じゃないか」て、おい……。しかも近所の漢方薬の店にこっそり買いに行ったそうです(国賓のパンダを病気にさせたとばれたら大騒ぎになるからですと)。で、「子供が風邪で……」と嘘を言って調合してもらったそうなのですが、店主に「お子さんの年齢と体重は?」と聞かれ、「2歳、55キロです」と答えたそうです。 Σ(゜□゜; お店の人もそりゃビックリです。ギャグかよ。それを美談仕立てでトモロヲナレーションだもんなあ。あの番組……アホですな。というか、よく死ななかったな、ランラン、カンカン……。
 あ、祭典は終わったのです……念のため。

2003/02/16 (前回 02/14)

 自民党の山崎拓幹事長が、イラク査察の追加報告について、「大量破壊兵器の存在は状況証拠的に真っ黒の状態。国連査察について、イラクの誠実な対応が行われていないことは明白だ」と言ったそうです。このニュースをテレビで見て、ヤマタクの顔を見た瞬間、怒りがわき上がりました。知ってる人も多いでしょうが、この人、去年の3月と4月、相次いでいわゆる下半身疑惑が報じられました。4月に週刊文春他で報じられた内容は、こんな感じです(すでに知ってる人も多いでしょうし、不快に思う人もいるでしょうが、知らない人のためにあえて紹介します)。
 元愛人の女性の証言によると、ヤマタク、いやエロタクは、ホテルで行為をする際必ず「有料チャンネル」のアダルトビデオを大音量で流し、「俺は議員じゃなかったら、絶対AV男優になるんだ」、「落選したら女子大の教授になりたい。宝の山だからな」と言うのが口癖だったそうです。また、エロタクはしばしば彼女に自分の尿を飲ませ「これでお前は一生俺の女だな」と満足げにいっていたとのこと。さらに彼は、彼女の母親の写真を見て、これまでに姉妹や親戚の3Pプレイの経験はあるが、母娘との3Pプレイはしたことがないのでやりたいと言い、母親を口説く材料として、自分のペニスとおとなのオモチャを一緒にポラロイド写真に撮らせて「必ずお母さんに見せてね」と彼女に渡したとか。
 まあ、こういう感じの人は世間では「変態」とか言われるのかもしれませんが、これ自体は、ま、勝手にすれば、というだけのことです。しかし、ひどいな、と思ったのは、この人、まったく避妊せず、何度も彼女に中絶させた上に「女というのは、堕ろせば、堕ろすほどセックスが良くなるもんだ」と放言していたというのです。事実とすれば、変態の風上にも置けない、まあ言ってみればヒトとして考え得る最低の部類の発言だと思うのですが、この人が幹事長をやっていて、さらに「ナンバー2」などと言われているのが政権与党、自民党です。もっとも本人は事実無根と文春らを訴えたそうですが、それこそ「状況証拠的に真っ黒の状態」だと思うんですが。テープや写真が多数残っており、ハダカの写真については、本人みずから「私かもしれない」と認めちゃってるというんですから。というわけで、イラクに成り代わって私が言います。

てめえに言われたくねえ!!

(ヤマタク下半身についてはここここから一部引用しました。)

2003/02/17 (前回 02/16)

 エロタクフラッシュがあるみたいです。ひまな人はこちらをどうぞ。
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 サッカーのことほとんど知らないくせに、身の程知らずにもサッカーの話題からはじめたりして。

ハンブルガーSVのFW高原直泰(23)は9日、アウエーでの首位バイエルン戦で後半ロスタイムにヘディングで初得点をゲット。チームを1―1のドローに導いた。世界最高GKオリバー・カーン(33)の無失点記録を802分で止め、ドイツの中の話題も独占。ブンデスリーガの歴史に衝撃的な名を刻んだ。

 のだそうです。このニュースをテレビでぼーっと見ていたら、高原をアシストした選手、イラン代表のマハダビキアのインタビューが流れました。彼は「同じアジア人としてうれしいよ」と言っていました。同じアジア人……しかし、日本人はそう思っているでしょうか。
 日本人を「同じアジア人」と思っているのは、イランだけではなく、イラクの人々も同じであるようです。たまたま読んでいた『イラクからの報告――戦時下の生活と恐怖――』(江川紹子・森住卓著、小学館文庫)の前書きに、こうありました(筆者は江川紹子)。

「だって、同じアジア人じゃないか」
 イラクの人から、最初にそう言われた時、私は一瞬意表を突かれた気がした。
(そうか、ここもアジアだったんだ……)
 地図を広げてみよう。中国、インド、パキスタンと西進し、アフガニスタン、イランを超えると、その隣がイラクだ。東京からの距離も、ワシントンよりバグダッドの方が近い。
 なのに、心理的な距離という点では、多くの日本人にとってイラクは、はるか彼方の縁の薄い異国なのではないだろうか。 (p.3)

 イラクの国民は、長引く経済制裁の中で、苦しい生活を強いられています。また、湾岸戦争後、イラクでは乳児死亡率が急激に増加し、子供達の白血病やガンも増加している(これは湾岸戦争時米英軍が使用した劣化ウラン弾*の影響であると考えられている)。しかも、経済制裁によって、そうした子供達を治療する薬が手に入らない。そのため十分な治療が受けられない子供達が次々と死んでいる……。
 マハダビキアが高原をアシストした9日、日本の外相の川口は、イラクが国連査察に積極的に協力しなければ米国などの武力行使はやむを得ないとブッシュを強力にアシストする発言。今の政府の連中には、イラクの人々が「同じアジア人」であるという意識などみじんもないのでしょう。経済封鎖に苦しみ、今また戦火にさらされようとしている「同じ」アジアの国の国民の命よりも、「同」盟国アメリカ政府のご機嫌をとることの方が大事であるようです。しかし、アジアの国がアジアを敵に回し、「テロ国家」アメリカをアシスト、というのは、アシストのつもりが結局オウンゴール、てなことにならないといいですけど……って、ああ、われながらサムい……。

* 天然ウランから原子炉や核兵器に使用する濃縮ウランを生成した後に残った劣化ウラン(主成分はウラン238)を使用した砲弾。アメリカ軍が湾岸戦争で初めて実戦に使った。核エネルギーの利用という意味では役に立たないが、比重が鉄の約2.5倍で非常に硬く、戦車の鋼板も貫通する、ということで軍事転用されるようになった。劣化ウラン弾は着弾した時に高熱を発して爆発的に燃焼するが、その際粉末状になり大気中に飛散するウラン238が環境に重大な影響を与えると考えられる。にもかかわらずアメリカ軍は無害だと主張しているそうで、なんともはや。

(参考)
* 森住卓氏のホームページ
* 豊田直巳氏のホームページ

2003/02/20 (前回 02/17)

 今日は、日比谷公園での集会、には行かず、トゥーツ・シールマンス with オスカル・カストロ・ネビスのライブにブルーノートに行って来ました。すばらしかった……。ちなみにトゥーツは80歳。しかし感想はまた後日書くことにします(たぶん)。
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 13日に書いたニシ・タマオ住民票問題ですが、18日の朝日新聞に「タマちゃんも私たちも同じ 住民票交付求め外国人らが訴え」という記事がありました。それによると、「私たちにも住民票を」と、在日外国人らが22日、アザラシのメークをして帷子川に集まり「Friends of Tama Chan Celebration(タマちゃんを祝う友人の集い)」というイベントを開くそうです。

在日8年の英国人で、IT関連の仕事をしているデビッドガテリッジさん(30)=東京都渋谷区=らが、「何世代も日本に住み、税金も払っているのに住民票が交付されず、参政権もない在日外国人が大勢いることを知ってほしい」と計画した。(14面)

 とのことです。「何世代も日本に住み、税金も払っているのに住民票が交付されず、参政権もない在日外国人」とは、主に在日韓国・朝鮮人の人々のことであることは言うまでもありません。永住外国人の地方参政権を認める法案については、自民党の強い反対によりいまだに宙づり状態が続いています。オウムより先にこちらの問題について書かなくてはいけなかったかもしれません。
 しかし、ちょっとその辺のところをネットで検索したところ、まあ、予想はついたものの、2ちゃんねるのどうしようもない書き込みがあって、つい読んでしまい、はげしく後悔しました。
 ところで、件のイベント、当日参加者は思い思いのアザラシメークをほどこし、タマちゃんへの祝辞を日本語と英語で読み上げる、とのことです。うーん、なんかちょっとピントがはずれている、というのがいいすぎなら、生ぬるいようにも思います……。いっそのこと「不法入国アザラシはベーリング海に帰れ!!」とかいうプラカードでも作って、ニッポン人の排外主義を皮肉ってみるとか……といってもその皮肉自体がほとんど理解されないか。
 と思っていたら、たまたま『ニューズウィーク日本版』が「差別国家ニッポン」という特集だった(2月26日号)ので、普段買わないのですが買ってみました。「『外国人お断り』――国際化があぶり出す排外意識」ということですが、記事は、ロシア人船員のマナーが悪い、と「外国人お断り」の張り紙を貼った小樽の温泉の話(札幌地裁で「入浴拒否は人種差別」という判決を受け、300万円の賠償を命じられた)をはじめとした事例を紹介しつつ、ニッポン社会の排外性を指摘しています。
 記事には「人種差別に反対する人々は、警察が大げさな警告やマスコミ発表で意図的に外国人への恐怖をあおり、移民の管理強化をねらっていると非難する」とありますが、それはそのとおりだと思いますねえ。

(外国人に対する)漠然とした恐怖は、外国人犯罪に関する忌まわしいニュースでさらにふくれれ上がる。外国人の刑法犯の検挙件数は92年の745件から、2001年には1万8199件に増えた。
 これでも検挙件数全体の約3.4%にすぎない。だが上野警察署をはじめ、いくつかの警察署が配布した防犯用のポスターやちらしを見ると、そうは思えない。あるちらしには、銀行で金をおろした女性に目をつけて「カモネ! カモ!」とつぶやく浅黒い肌の外国人が描かれている。
(p.51)


 やれやれ。最近読んだ『アホでマヌケなアメリカ白人』(マイケル・ムーア著、松田和成訳、柏書房)の一節を、ちょっと長くなりますが紹介しましょう(ちなみに著者は白人男性)。

 何でもいい、何百万人という人間を苦しめている問題、病気、災い、悲劇の名を挙げてくれ。1000ドル賭けてもいいが、あんたが'N Sync のバンドメンバーの名前を言うより早く、俺がその災いに関係した白人を指摘してやるよ。
 にもかかわらず、毎晩ニュースをつけたときに、俺たちが何度も何度も見せられているのは何か? 殺人、強姦、強盗、刺殺、輪姦、略奪、暴動、麻薬売買、ポン引き、売春、子供の作りすぎ、アパートの窓から子供を投げ捨てる奴、父なし児、母なし児、不信心、赤貧、そういうものは何もかも、黒人がやったというニュースだ。「容疑者は黒人の男……容疑者は黒人の男……容疑者は黒人の男……」。どの街に住もうと、ニュースはいつも同じ。容疑者は常に、正体不明の黒人の男。(……)
 俺たちは、黒人は凶悪な敵だというイメージを刷り込まれ、すっかり洗脳されちまっているんだ。(……)
 奇怪なことに、ほとんどの犯罪は白人の仕業なのに、「犯罪」と言われて俺たちが真っ先に思い浮かべるのは、黒人の顔だ。誰でもいいから白人を捕まえて、家に押し入ったり路上で襲ってきたりする犯罪者を想像してもらえばいい。もしもその人が正直なら、そのときに思い浮かべたのは、自分とは違う人種だったと告発するだろう。彼らの頭の中の想像上の犯罪者は、ボボ・ブラジルやちび黒サンボのパパみたいな顔をしている。絶対にソバカス面のジミーじゃない。
 どうしてこんな心理が働くんだろう。事実は全く逆であることを、あらゆるデータが示しているというのに。白人種の頭は、見たものと全く逆のことを信じるように配線されているのか?(……)
(pp.99-101)


 「白人」を「ニッポン人」に、「黒人」を「外国人」に置き換えてみると、ほとんど同じ状況が起こりつつあるようにも思います。ちなみに、この本の中で「簡単に言えば、あなたはアル中で、泥棒で、おそらくは重犯罪人で、おトガメなしの脱走兵で、泣き言野郎です。」とボコボコに批判されている「大統領」ブッシュは、置き換えるとすると、ニッポン人の排外主義を最悪の形で体現している、「三国人」発言の都知事閣下、シンタローということになるでしょうねえ。『アホでマヌケなアメリカ白人』は抜群に面白く(ちょっと納得いかないところもありますが)、翻訳もすばらしいのでオススメです。
 さて、『ニューズウィーク日本版』ですが、他の記事(イラク情勢に関する部分)は、違和感を感じる部分が多かったのですが、長くなってしまったので今回はここまでとします。
 本当は、先日観たマフマルバフの映画『カンダハール』の話を書こうとずっと思っているのですが、なかなかたどり着かない。そのうち書きます。

2003/02/21 (前回 02/20)

(その1)
 偶然にも、最近この日記に登場したパンダとアザラシという二つの動物をくっつけた「パンダアザラシ」なるキャラクターが出てくる、ベビースターラーメン(おやつカンパニー)のCMがはじまりました(ネットで調べたら、関西・東海地区ではすでに流れていたらしいのですが、関東ではつい最近はじまったらしい)。このCM、タマちゃんブームをおちょくっていて、なかなかいいですね。そのことをもう少しくわしく書こうと思っていたのですが、それは後回しにして、昨日の続きを書かねばなりません(なんか最近そんなんばっかだな)。
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 さて、昨日、『ニューズウィーク日本版』の記事に違和感を感じる部分が多かった、と書きましたが、今日になって、違和感が確信に変わりました(?) 昨日私が感じた違和感というのは、たとえば「戦争と経済危機――対イラク戦争が早期に決着すれば、V字型回復も夢ではない? 経済界に広がる戦争待望論に見る「巧妙」と現実」という見出しからもわかると思います。が、なんと言っても気になったのは、とにかく、イラク情勢とか戦争の危機を語っているどの記事にも、イラクの一般市民についての言及がみごとに欠落している、ということです。たとえば、「米欧の深い亀裂――欧州の反米ムードの原因は、イラクへの強硬姿勢だけではない。歴史、宗教、価値観にも越えがたい溝がある」という記事なんかもひどいもんです。出だしはこうです。

フランス・ノルマンディイーやベルギーの丘陵に並ぶ幾千万の十字架――それは20世紀にヨーロッパ大陸で荒れ狂った戦争と、戦場で失われたアメリカ人兵士の命の証だ。
 アメリカ人は、そこで失われた命と流された血を忘れない。だから、疑問に思う。ヨーロッパ人たちが、それらを忘れたようにみえるのはなぜなのか、と。
 なにしろ今は、アメリカが脅威にさらされている。そして、独裁者サダム・フセイン率いるイラクと一戦交えようとしている。なのにヨーロッパの同盟国、とりわけフランスはしたたかな外交を繰り広げ、戦争から逃げようとしている。そんな国々を、アメリカは「(ずる賢い)イタチの枢軸」と呼んではばからない。
(p.18)


 「アメリカ人は」とか「アメリカは」とか書いて、「私は」と書かずに逃げていますが、記事全体を読むと、結局この記事の言いたいこと自体が上の意見と大差ないということがわかって唖然とします。署名はクリストファー・ディッキー(中東総局長)というたぶんアメリカ人です。というわけでバカバカしいながらも上記の意見にいちゃもんをつけさせていただくと、あのー、「だから、疑問に思う」とおっしゃいますがね……疑問に思うのはこっちなんでございますが。「それらを忘れたようにみえるのはなぜなのか」だって?……その言葉、そっくりそのままあーたに返させてもらいます。アホでマヌケなアメリカ白人様。あなたがたが、あなたがたに殺された世界中の幾千万の犠牲者たちが流した血のことをすっかり忘れて、自分たちが流した(あえていわせていただきますが)わずかな血のことだけを忘れない、ようにみえるのはなぜですか?
 で、この記事はこう結ばれています。

(……)自分たちが先陣を切れば、同盟国はみんなついてくるという思いこみが、ブッシュ政権にあったのは事実だ。しかし、それは幻だったらしい。
 それでも、容赦なく「時間切れ」は迫ってくる(……)
 そのときには戦争が始まり、新たな土地に新たな十字架が並ぶことになるだろう。
(p.23)


 ……やれやれ、やっぱりあなたがたは、自分たち以外の人間が流す血のことは最初から忘れている、というか眼中にないようですね。それとも、十字架型をした墓以外は墓に見えないんでしょうかね。アメリカ人以外の死者(つまりあなたたちが殺すんですけど)というのは、にっくきフセインを倒す時に出る、ちょっとした副作用、ゴミ、ぐらいにしか思っていないのかもしれません。あ、それから、「同盟国はみんなついてくる」という当てが外れた、とお嘆きのようですが、大丈夫ですよ。日本だけはついて行きますから。ええ、どこまでもおともします。ご安心下さい。なにしろ51番目の州と言っていただけるほどですから。え?ていうか眼中にない?……悲しいなあ。尽くしても報われない、というのは。
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(その2)
 てなわけであきれてしまったわけですが、なにげなく、ネットで『日本語版ニューズウィーク』のホームページを見てみたら、もっとあきれることになったのです! 問題は、どうやらホームページだけに載っているらしい「ニューズウィーク日本版編集主幹 NewsWeek Japan Online 編集長」藤田正美氏の「編集長コラム」です。たとえば最新号はこんな調子(タイトルは「反戦と好戦のはざま」)。

(……)  戦争反対というのは、誰にとっても抗しがたいスローガンである。好んで戦争をしたがる人々はそうは多くはない(はずだ)。しかし戦争というものが単なる殺し合いでなくなってから、戦争とは外交の延長線上にある。つまり外交の最後の手段として戦争があるということだ。(……)  われわれ日本人は、もし北朝鮮に米軍が軍事的圧力をかけるような場合にも、同じように戦争反対を叫ぶことができるのだろうか。北朝鮮が核兵器を持ち、日本に届くようなミサイルを保有していることが明らかになった場合でも、平和的解決を求めるのだろうか。
 (……)むろん北朝鮮が話し合いに応じればいいが、最悪のケースとして話し合いに応じないときに、日本にはどういうオプションが残されているのだろうか。戦争に「いい戦争」も「悪い戦争」もないかもしれない。あの湾岸戦争で武力行使以外にクウェートを救済する手だてがあったのだろうか。あったのかもしれないし、なかったかもしれない。歴史を繰り返すことができない以上それはわからない。
 ただ問題は、どのように平和を守り、勝ち取るのかという道筋を絶対平和主義は示してくれないことなのである。イラク問題で日本政府がいつものように煮え切らない態度を取るのも、このあたりの日本的絶対平和主義が足かせになっているからかもしれない。このような状況では、北朝鮮危機がこれ以上高まらないように祈ることだけがわれわれにできることだ。


 ……ちょっと長く引用しすぎたかもしれませんが、ご覧の通り、言わせていただきますが、かなり低レベルの「好戦」アジテーションです。反論する気もおこらないのですが、あのー、あなたがおそれているらしい北朝鮮のキム・ジョンイルも、おそらくあなたと同じこと言ってると思いますよ。「核兵器を持ち、わが国に届くようなミサイルを保有している(これは査察するまでもなく明らかです)アメリカは、我が国にとっての脅威である。アメリカが話し合いに応じればいいが、最悪のケースとして話し合いに応じないときには、平和的解決を求めることはできない。だから我が国は核兵器を保有するのである。」と。ホントは好きなんじゃないですか?(聞いたらめっちゃ怒りそうだけど……)
 で、146 2003.1.15のコラム「目前に迫る北朝鮮危機」では、言っちゃってます……。

新年早々から暗い話で恐縮だが、北朝鮮の脅威がいよいよ大きくなっている。(……)核不拡散は、核大国のエゴであるという見方もできる。しかし人類が開発した最悪の大量殺戮兵器であるから、それを管理できる国ならともかく管理できない国が保有するのに反対するのは当然である。どの国でも核兵器で自衛する権利があるという論理は到底承服することはできないのである。
 さて北朝鮮が核武装したとすれば、日本はどうするのだろうか。外交的な努力はもちろんだが、日本をどのように防衛したらいいのか。日本の自衛隊は、現在のところどこかの国を攻めるような兵器を保有していない。爆撃機もなければ、空母もなく、そして揚陸艦もわずかしかない。陸上部隊を送りこもうにも、空からの援護なしにやらねばならない。これは不可能な話だ。
 そうなると論理的な帰結はただ一つ。日本も核武装して恐怖の均衡を保つという選択肢しかないのである。(……)


 あーあ、言っちゃった……。先日「救う会」の会長が「日本が核ミサイルをもつことの必要性」について発言した、というニュースがありましたが、どうも、拉致問題以降、ウヨやホシュの方々は、タガがはずれちゃって、大はしゃぎですねえ。「それを管理できる国ならともかく管理できない国が保有するのに反対するのは当然」ですって? で、日本は管理できる国だっていうんですね? ウランをバケツで汲んでるような国が、よく言うよ……「日本の自衛隊は、現在のところどこかの国を攻めるような兵器を保有していない」だって?防衛費年400億ドル(約5兆円、一日あたり140億円)を越える軍事大国(米国務省の最近の計算で世界第5位*)が、よく言うよ……ったく。ほんとに、大丈夫ですか?偉大な将軍金正日同志、フセイン大統領閣下等々、つまり自分が批判しているもののパロディに自分でなっちゃってる、ていうことにほんとに気づいてないんですか?
 つーわけで、僭越ながら、決定させていただきました。『ニューズウィークアメリカ版』、読んだことはありませんが、貴誌はおそらくアホでマヌケなアメリカ白人(stupid white men)御用達のアホ雑誌と思われます。そして『ニューズウィーク日本版』、貴誌は、アホでマヌケなアメリカ白人のタワゴトをありがたがる、脳ミソを漂白する(ついでにふやかす)ことしか考えていないバナナ野郎*、アホでマヌケなニッポン人御用達の、アホ雑誌です。というわけで、少なくとも私は、金輪際貴誌を買うことはありませんので、あしからず。さようなら。

* ちなみに、そもそもアメリカだのイギリスだののしかも軍が発表した順位をもとに「共産党は日本が軍事費世界第2位だなどと嘘をついている!中国の方が軍事費はずっと多い!」とか鬼のクビでもとったかのように騒いでいる人がいるみたいですが、2位だろうが3位だろうが5位だろうが、軍事大国であることにはかわらんでしょうが。

* 中身が白くて外側が黄色い、ということで、日本人をこう呼ぶ東南アジアの人がいる、と昔聞きました。秀逸な比喩だと思います。

2003/02/25 (前回 02/21)

 “西区民”タマちゃんに手紙続々とのことですが、このニュースにはいろいろと問題点があると思いますねー。
 まず第一に、「横浜市西区西平沼町、帷子川護岸 ニシ・タマオ様」という宛名の手紙を、西区役所にとどける、という郵便局のその神経が信じられません。いいですか、横浜市西区区役所の住所は、横浜市西区中央1-5-10 です。どうして、そんな関係のないところに西平沼町の住民の手紙を持っていくんでしょうか?? 郵便法第77条にはこうあります。

郵便法第77条 郵政事業庁の取扱中に係る郵便物を正当の事由なく開き、き損し、隠匿し、放棄し、又は受取人でない者に交付した者は、これを3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。ただし、刑法第258条又は第259条に該当する場合には、同条の刑に処する。

 法律に詳しくはないのですが、今回の郵便局の対応はこっちにも該当するのかな。

郵便法第79条 郵便の業務に従事する者がことさらに郵便の取扱いをせず、又はこれを遅延させたときは、これを1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

 さて、タマオ宛の郵便物が続々と届いた西区区役所の対応は、さらに問題です。まず、区役所の対応は、郵便法第55条に違反していると思います。

郵便法第55条(誤配達郵便物の処理) 郵便物の誤配達を受けた者は、その郵便物にその旨を表示して郵便差出箱に差し入れ、又はその旨を最寄りの郵便局に通知しなければならない。

 そして、手紙の内容は「体に気を付けてください」「風邪ひかないでね」「住民登録できて良かったね」などと、タマちゃんを励ます内容だった、と報道されていますが……え?……てことは、ひょっとして……勝手に開封したってことですか? なんと!ひどい話です。言うまでもありませんが、他人宛の手紙を開封して読むことは、れっきとした犯罪です。

刑法133条(信書開封) 正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けた者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

 これは由々しき問題です。
 とにかく、タマオ宛の手紙はタマオ本人に届ける、というのがどう考えてもスジでしょう。ま、その場合、たぶん子供が一生懸命描いた絵とか、川柳を書いた色紙とか、水浸しのゴミとなって帷子川をどんぶらこと流れていくことになるでしょうが……まことにいいきみかわいそうなことですが、いたしかたありません。
 ところで、西区区役所の住所を調べるために西区区役所のホームページに行ってみたところ、驚愕しました。なんと、ニシ・タマオ氏の住民票が、PDFファイルで公開されているではないですか! 住民票をインターネットで公開とは!? 住基ネットがこれだけ問題になっているときに、西区区役所のプライバシー感覚はいったいどうなっているのでしょうか?!

2003/02/28 (前回 02/25)

 と、いうわけで、ちょっと N.Y. に行って来ました! いやあ、意外と近いもんですね。近いのなんのって、たった10分で着くとは。唐木田行きに乗って乗り換えなしで一本です。え? N.Y. って、もちろん、アメリカの方じゃなくて、小田急線の方ですよ。ニュー・ユリガオカの方。新百合ヶ丘、とも言いますけど。で、N.Y. に何しに言ったかというと、『アホでマヌケなアメリカ白人』のマイケル・ムーアが監督した映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』(いやむしろ『ボウリング・フォー・コロンバイン』のマイケル・ムーアが『アホでマヌケなアメリカ白人』を書いた、のかもしれないけど)を観るためです。『アホでマヌケ』を読んだ私は、「銃社会アメリカの矛盾を批判、というか笑い飛ばすドキュメンタリー映画で、全米ライフル協会会長チャールトン・ヘストンの自宅にアポなし突撃取材*、とかそんな映画」という程度の予備知識(というか予想)を持って観に行きました。で、実際に観てみると、だいたいそんな感じではありましたが、予想以上に「笑い飛ばす」よりも「批判する」方が強かった。というか、基本的にかなり大まじめな映画でした(それは『アホでマヌケ』も同じですけど)。といっても普通に面白いし笑えるのでおすすめです。パンフレットにありましたが、たしかに「思想ある『電波少年』」と言う感じもあります。
 が、予想がはずれたことがあります。平日だし、なんといっても基本はまじめなドキュメンタリーだし、新百合だし(在住の方ごめんなさい)映画館はガラガラじゃないかな、と思ったのですが、意外にもかなり入っていてびっくりしました。わりとフツーの今時大学生っぽい若者が多かったかな。前から思ってますけど、今時の大学生もけっこうすてたもんじゃないです(なんて、偉そうに……)。
 しかし、杞憂とは思いますが、あの映画を見て「やっぱりアメリカは怖い」とか「アメリカは嫌いだ」と単純にそのような感想を持って終わり、という人がいるかもしれない、というのは少し気になります。前の日記でも書きましたが、ムーアが告発するアメリカ社会の問題とは、決して人ごとではなく、そのままニッポン社会の問題でもあると思います。ムーアが言いたいことははっきりしていて、「他者」に対する恐怖が暴力を生む、ということだと思います。そしてそれは「外国人犯罪の増加」を言い立てる警察、そしてそれを垂れ流すメディアによってさかんに恐怖があおり立てられている日本社会にとって、まったく人ごとではありません。
 と、いうわけで、ムーアのメッセージは実は非常に単純なんですよね。さっき、この映画を単純に反米としてとらえてはいけない、というようなことを言いましたが、じゃあこの映画が難しい映画なのか、ていうと、そんなことはなくて、良い意味で非常にわかりやすい、と思います。笑いはあっても、変な韜晦はない。いってみればストレートな風刺です。パンフレットを読むと、ムーアは原一男の『ゆきゆきて神軍』を「国家とメディアが隠したいと思うものについて突っ込んだ凄い作品」と評価しているそうですが、同時に「俺にはあれは撮れない」と言っているそうです。たしかに、ムーアの映画は、『ゆきゆきて神軍』のような、なんとも表現しがたいわけのわからない深淵、のようなものとは無縁です。しかしもちろんだからだめだ、ということではなくて、ムーアの映画は良い意味での単純さがあるからこそ、見終わった後の後味はすがすがしいです。基本的に前向きな映画と言えるかもしれない。ていうとバカみたいですが、いや、やっぱり前向きは必要だと思います。
 しかし、ですね、もう一回ひっくり返すと、やっぱりそのムーアの単純さ、というのは、ちょっと気になるところでもある。『アホででマヌケ』で言えば、たとえばパレスチナ問題について書いてあるところは、彼の捉え方はちょっとあまりに単純化しすぎのように思いました。でもまあ、「イラク悪」「テロ悪」という単純化したメッセージを垂れ流すことで成り立っているブッシュに対抗するには、そのぐらいの単純さと威勢の良さが必要なのかもしれない。
 もう一つ、この映画で印象的だったのは、ロック・スターのマリリン・マンソンへのインタビューです。彼は、映画のテーマであるコロンバイン高校での銃乱射事件の犯人**が心酔していたロック歌手、ということで、事件後ずいぶんバッシングを受けたのだそうです。悪魔崇拝や暴力をテーマとした「反社会的」歌詞がバッシングを受けているそうですが、楽屋で一人ムーアのインタビューに答えるマンソンは、悲しみと孤独の光をたたえた(ように見えました)まなざしと、静かで理知的な語り口が印象的でした。

『ボウリング・フォー・コロンバイン』の公式ホームページはこちら。上映館、上映予定館ものっています。

* あ、チャールトン・ヘストンの取材はアポなしではなく一応アポとってました(といっても、いきなり自宅に押し掛けて、インターホンごしに「明日の朝8時半ならいい」という約束を取り付けた、ていうことですが……あ、それってアポなしってことかΣ(゜□゜;)。
** 後日、犯人の少年二人が実はマリリン・マンソンが嫌いだったという事実が判明したが、メディアに黙殺された、という話もあるみたいです(マンソンのファンのページで読んだ)。



2/26のライブ、店側の事情で急遽中止になりました。申し訳ありません。
 2/26(水)藤村慶子(vo. g.)with PROJECT H(小宮山春樹(ds),鈴木亮(b),永野潤(p))with  ボサノバ&ジャズ Room tete

 3/7(金) 村田正洋バンド(tp村田正洋 sax小川銀士 dr宮野大輔 b小沢香菜子 p永野潤) 調布ギンズ
 3/13(木) 森 学 カルテット at ゼラス




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